柤ヶ沢(けびがさわ)と呼ばれる集落での出来事を電車の中で思い返してく柏木ハルコ本人。話は一気に数年前に遡っていく。
主人公である相浦は父親から先祖代々伝わる刀「烏丸」の話を聞く。その刀を手に入れたいといった衝動に駆られる相浦。中学校の卒業式の後、春休みを利用して父の故郷である谷竹村(やたけむら)へ向かう。
バスに揺られて寝過ごしてしまう。
目覚めた時は既に谷竹村をかなり過ぎていた。仕方ないので歩いて戻る相浦。
次第に辺りは闇に包まれていく。
日も落ちて外灯もない山の中。民家すらない場所で完全に迷ってしまう。必死で人や民家を探す相浦。
原付バイクに乗った地元の学生のような少女・澄子に出会う。
谷竹村に行きたい事を伝えるが驚かれる。歩いていける距離ではない事を知る。そして近くにある集落は柤ヶ沢だけである知らされる。泊まれる場所があるか尋ねる相浦。
「とりあえずウチ来る?」
バイクのケツに乗って近くの集落まで案内してもらう事へ。集落に辿り着き、澄子の自宅に案内してもらう相浦。
通された部屋に床の間がついており、澄子の叔母から風呂に入るよう指示される。風呂には異様な置物を持ったおじいちゃん。湯船に浸かっていると続いて同い年程度の少年が入ってくる。
彼の巨根を見て驚愕する相浦。
風呂を出ると澄子の母親から夕食に誘われる。澄子の家族を囲んで食卓にお邪魔する相浦。途中、サクラタケなるキノコを食べさせられる。
そんなこんなで就寝時間。
寝ようと思うと部屋の前で誰かが歩いている物音。気になって眠れないので襖を開けると澄子の母親がいた。
澄子の母親はノーブラで裸体が透けていた。色っぽい母親に何とも言えない感情になる相浦。結局、寝付けずにトイレへ。
母親の部屋の襖が少しだけ開いていて覗く。すると澄子の母親はシースルーの部屋着から普通のパジャマに着替えて就寝しようとしていた。さっきのは何だったのか…。そんな事を思いながらトイレ、戻って就寝する。
翌朝。
澄子から4,500円が請求される。彼女の家は民宿「まさがや」を経営していた。れっきとした民宿なのだ。
支払おうとするも財布を昨日の山道に落としていた相浦。支払う事が出来ず、電話を借りて事情を説明。郵便で現金を届けてもらう事へ。
自分のダメダメっぷりに嫌気がさす相浦。
布団を縁側に干しつつ、烏丸を早く手に入れたいと思う相浦であった。