桜子のもとへ父親から連絡が入る。今月の生活費を振り込んでおいたといった連絡であった。娘を心配する父に一言。
『気に病まないで、お母さの自殺はお父さんのせいじゃない』
電話を切った後、ほののんチャンネルのメイク動画を閲覧していく桜子。
「可愛くなったね…穂乃花」
ほののんこと穂乃花は美容系YouTuberになって早3年。登録者は50万人を超える人気配信者であった。声をかけられることもしばしば。
そんな中、無題でメールが送信されてくる。そこには卒アルの自分の写真が写っていた。男友達が覗いて写真の女性に対して引いた顔をしていく。咄嗟に誤魔化す穂乃花。
「知らない!間違いメールじゃない」
心の中で勘ぐる穂乃花。一体誰が高校時代の写真を送ってきたのか。穂乃花は高校を卒業してから200万かけて整形を行っていた。それ以来、彼女は昔の友達と会うことを止めていた。
相手にしなきゃ諦める。
そう感じてメールの件は無視する事に決める穂乃花。
人気配信者なので沢山のプレゼントやファンレターを貰っていく。その中に穂乃花の心臓が高鳴るファンレターが一つだけ入っていた。
「From JKほにょ」と書かれたファンレター。
中身を覗くと「この前のメールは届きましたか?」と一言。そしてSNSアカウントが記されていた。同様する穂乃花。手紙に書かれていたSNSアカウントは穂乃花の学生時代の裏アカ。
「あれを知られたら私は終わる」
後日、帰省する穂乃花。
実家にある卒アルを確認して犯人探しをしようとページを捲っていく。すると須賀の写真。穂乃花の初恋相手は1話、2話で桜子に復讐された須賀だったのだ。
場面は2010年5月へ。
穂乃花の思い出が蘇っていく。学生時代、穂乃花は桜子と仲良くしていた。その理由は桜子と一緒にいればカースト上位のグループに入れるからであった。
しかし、美人とブスが一緒なら当然、男子はブスの方を蔑んでいく。桜子と言えば不遇な時もあったがそれでも彼女といるメリットは大きかった。
家庭科の授業で須賀の姿が見えなかった。彼の居場所は穂乃花だけが知っていた。昼前の授業をよくサボっていた須賀。彼は屋上で寝ていたのだ。
須賀を起こすと同時に授業で作ったクッキーをプレゼントする穂乃花。
「ありがと、これ西ノ宮も作ったんだよね?」
桜子と同じグループにいながら彼女に強い劣等感を持っていく穂乃花。しかし、桜子の母親のAV出演疑惑が噂になってから状況は大きく変わっていく。
表向きでは桜子の味方をする穂乃花。裏では母親のビデオ画像を入手しては学校の裏掲示板に匿名で書き込みをしていたのだ。
場面は現実へ戻る。
卒アルを見ていると再びメールが送信されてくる。
そこには裏アカで援助相手を募集していた穂乃花の卑猥な写真が添付されてきていた。
「一度ネットにあげたら消えない、知ってるよね」
このメッセージを見てメールを送ってきている相手が誰か判断する穂乃花。返信していく。
「もしかして桜子?」
「穂乃花…返信してくれたの10年ぶりだね」
第3話は終了。